- 出戻り転職ってしても大丈夫?
- 出戻りで後悔したくない
前職でまた働きたいと考えたときに、「本当に戻っても問題ない?」と不安を感じている方は多いです。出戻りの良い面だけでなく、悪い面にも目を向けないと「こんなはずじゃなかった」と後悔する可能性があります。
私自身、現在出戻りして5年目を迎えました。再度働くことのメリットだけでなく、再入社することでのリスクも把握していたので、長く働くことができています。
この記事では、出戻り転職のメリット・デメリットや、出戻りが成功するポイントなどを解説します。記事を読めば、ご自身が出戻りすべきか冷静に判断できるようになるでしょう。
納得できるような選択をするためにも、ぜひ参考にしてください。
出戻り転職って実際どう?会社は受け入れてくれる?
出戻り転職とは、一度働いていた会社に再度入社して働くことです。企業によっては出戻りすることを「アルムナイ採用」や「カムバック採用」などと呼び、近年では元社員を積極的に採用する会社も増えています。
実際に株式会社マイナビの調査によると、アルムナイ採用を取り入れている企業は40.9%にも及びます。さらに従業員が301名以上を超える大手企業では、55.7%が実施しているという結果です。
引用元:2024年1月度 中途採用・転職活動の定点調査|株式会社マイナビ
出戻り社員を受け入れるのは、会社側にメリットがあるためです。同じく株式会社マイナビが「出戻り社員を採用して良かったこと」を調査した内容を紹介します。
最も多かったのが「即戦力として活躍してくれること」の54%、次に「採用・育成コストを削減」が48%という結果でした。他にも「自社外で身につけたスキルを還元(44.6%)」や「人手不足が解消(42%)」などが挙げられます。
引用元:2024年1月度 中途採用・転職活動の定点調査|株式会社マイナビ
このような結果から、即戦力として活躍できて前職にスキルを提供できる人は、出戻り転職が成功しやすいと言えます。ご自身が前職で貢献できていれば、復帰できる可能性は高いです。
出戻り転職の5つのメリット

出戻り転職のメリットは以下の5つです。私が実際に出戻りした経験から、良かった点を紹介します。
- 転職活動する必要がない
- 一から仕事を覚える負担がない
- 人間関係で悩むことが少ない
- 他社で働いた経験を活かせる
- 入社後のギャップが起きにくい
転職活動する必要がない
出戻り転職する場合、前の職場に戻るだけなので転職活動する必要がありません。求人を見つけたり、会社をリサーチするなどの手間を省けるため、転職活動の時間を短縮できます。
一般的に転職するとなると、書類選考や面接といった工程を踏む必要があります。そのような複数の過程を最小限に抑えられるので、大きく負担を軽減できるのです。あわせて過去に働いていたことから、人柄や実績は理解されているので、スムーズに選考が進みやすいでしょう。
一から仕事を覚える負担がない
事前に業務内容や仕事の進め方を把握しているため、一から仕事を覚える負担が少ないです。出戻りは初日から即戦力として活躍できる点が強みです。
数年のブランクを経て復帰した場合、新しい仕事を任せられる可能性もあります。しかし、職場のルールや仕組みをある程度理解しているため、全くの新人よりも有利と言えます。
人間関係で悩むことが少ない
出戻り転職の大きなメリットとして、人間関係で悩むことが少ないがあります。事前に社員たちの人柄がわかっているため、信頼関係を築くストレスが軽減されます。
一般的に転職すると、職場の環境や人間関係は入社してみないとわからないことが多いです。いざ働いてみると、周囲と馴染めずに「辞めたい」と思う方もおられるでしょう。
私自身、他社に転職して「前職の人間関係の良さを再確認した」という理由で出戻りしました。再入社後の人間関係も良く、ストレスを感じることが少なくなったため「戻って本当に良かった」と感じています。
「なるべく人間関係の悩みを減らしたい」といった方にも、出戻り転職はおすすめです。
他社で働いた経験を活かせる
前職を辞めて転職した会社での経験を出戻り先で活かせる可能性があります。前職に貢献できるスキルがあれば、面接時にアピールできるでしょう。
一度離れたことで前職の問題点に気づき、他社での経験を活かして解決できるかもしれません。以前より能力が高まれば昇給・昇進がしやすくなり、理想のキャリアに近づける可能性もあります。
入社後のギャップが起きにくい
「職場の雰囲気が合わない」「やりたい仕事じゃない」といった、入社後のギャップが起きにくいことも出戻りの魅力です。事前に会社について把握しているため、すぐ職場に適応できるメリットがあります。
特に「これ以上転職に失敗したくない」と考える30代・40代の方は、慣れた会社に戻ることで再転職のリスクを回避できます。転職することがなくなれば、長期間安定して働くことができるでしょう。
出戻り転職の5つのデメリット

出戻り転職のデメリットは以下の5つです。デメリットも把握して、客観的に出戻りすべきか判断しましょう。
- 出戻り転職に消極的な人もいる
- 以前の後輩が先輩になることもある
- 当時よりも給料や待遇が悪化する可能性がある
- 再度「辞めたい」と思うケースがある
- 「また辞めたい」と思っても退職しづらい
出戻り転職に消極的な人もいる
出戻り転職する際は、受け入れてくれる人だけでなく、再度働くことに消極的な人もいます。社員のなかには「戻るなんて都合が良い」とネガティブな印象を持つ人もいます。
たとえば以前退職した際に、「もう関係ないから」と引き継ぎを適当にした場合は、戻ることを嫌がられる可能性が高いです。辞めて復帰することに不信感を持つ人がいるということを、理解したうえで戻るようにしましょう。
以前の後輩が先輩になることもある
出戻りするまでに時間が経っている場合、以前の後輩が先輩になるケースもあります。昔との関係性の変化により、お互い仕事にやりづらさを感じることもあるでしょう。
以前の感覚のままだと素直に指示が聞けなかったり、逆に元後輩側も指摘しづらかったりするため、関係性が悪化するリスクがあります。復帰後の関係性をスムーズにするためには、素直に学ぶ姿勢や、謙虚な態度が求められます。
当時よりも給料や待遇が悪化する可能性がある
前職に再入社する場合、当時よりも給料や待遇が悪化する可能性があります。元々就いていたポジションに後任者が割り当てられていれば、以前よりも下のポジションに戻るでしょう。
「こんなはずじゃなかった」と後悔しないためにも、面接時などに給料や待遇について確認しておくことをおすすめします。「出戻りする身で聞きづらい」と考える方もいますが、長期間働くために大切なことなので、事前に聞いておきましょう。
再度「辞めたい」と思うケースがある
一度辞めた原因が解決されていなければ、再度「辞めたい」と思うケースがあります。復帰したはいいが、徐々に当時の不満を思い出し「戻るんじゃなかった」と後悔するリスクは高いです。
私自身、昇給・昇進しづらいことが不安で前職を辞めました。ですが転職に失敗して、縁があって復職することになりました。しかし戻ってからも、昇給・昇進しないままなので、今も以前と同じ悩みを抱えています。
出戻りする際は、「以前と同じ悩みが解消されているか」または「不安はあるけど割り切って働けるか」といったことを考慮してから決断する必要があります。
「また辞めたい」と思っても退職しづらい
出戻り転職すると、「また辞めたい」と思っても退職しづらいです。「2度目は言いづらい」と感じるため、転職したいと思ってもなかなか踏み出せません。
周囲に気を使うことで、転職のタイミングを逃す可能性があります。出戻りするなら、事前にどのような将来にしたいのか計画しておくと後悔しづらいです。
- 「本当に出戻り転職して良いのか不安…」
- 「他にも選択肢があるか相談したい」
そんな方には、現役のキャリアアドバイザーに転職の悩みを相談できる「キャリエモン」を活用するのがおすすめです。
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出戻り転職が成功する割合は?
株式会社マイナビが、現役の人事担当者にアンケートした結果を紹介します。出戻り転職で戻ってきた人が「いる」と回答したのが49%、「いない」と回答したのが51%でした。
引用元:「出戻り転職」って実際どう?人事担当者に聞いたメリット・デメリット|マイナビスカウティング
もちろん前職の状況や個人の評価にもよりますが、約半数は出戻りしているため、特別珍しいことではないと言えます。会社に貢献できており、現在在籍している社員からの紹介となれば、選考がスムーズに進むでしょう。
一方で、約半数は出戻り社員がいないと回答しているため、必ず成功するわけではないことも考慮する必要があります。円満退職できなかった場合や、きちんと挨拶せずに辞めた人は採用される可能性が低いです。辞めた理由や状況を思い出して、「復帰して後悔しないのか」をよく検討してから選択しましょう。
出戻り転職が向いている人・向いていない人の違い

出戻り転職が向いている人と向いていない人の違いは以下のとおりです。
向いている人 | 向いていない人 |
---|---|
仕事ぶりが評価されていた 人間関係のトラブルがなかった ポジティブな理由で退職した | 短期間で退職した 周囲からの人望が薄かった 出戻りする理由に説得力がない |
出戻り転職が向いている人
出戻り転職が向いている人の特徴は、以下の3つが挙げられます。
- 仕事ぶりが評価されていた
- 人間関係のトラブルがなかった
- ポジティブな理由で退職した
会社に貢献できており仕事ぶりが評価されていた人は、出戻りが受け入れられやすいです。出戻り社員は即戦力としてすぐ働けるため、教育コストをかける必要がありません。
さらに在籍中に人間関係のトラブルがなかった場合、他の社員から不安が上がることも少ないでしょう。入社後の人間関係に問題がない人は、選考が有利に進みます。
以前辞めた理由が「スキルアップしたい」といったポジティブな理由だと、出戻りを前向きに検討してくれます。会社が原因で辞めたわけではないので、復帰しても長く働いてくれると判断されやすいです。
出戻り転職が向いていない人
出戻り転職が向いていない人の特徴は、以下の3つが挙げられます。
- 短期間で退職した
- 周囲からの人望が薄かった
- 出戻りする理由に説得力がない
数ヶ月〜1年未満の短期間で辞めた人は、採用が見送られる可能性が高いです。会社はすぐに活躍できる人を求めているので、スキルや実績の少ない人は再雇用するメリットが感じられないと判断されます。
「上司や部下とよく揉めていた」「部下に信頼されていなかった」といった、周囲からの人望が薄い人も採用されづらいです。出戻り転職は採用担当者だけでなく、社員たちとスムーズに働けるかも重視します。人間関係が上手くいっていなかった人は、再入社は難しいと考えておいた方が良いでしょう。
復職したい理由が「転職活動するのが面倒」「慣れている職場だから」といった説得力のない理由だと、会社からマイナス評価を受けます。曖昧な理由は、「また続かないのでは?」と不信感を持たれます。
出戻り転職を後悔しないための3つのポイント

出戻り転職を後悔しないための3つのポイントは、以下のとおりです。事前に内容を把握して、失敗しないようにしましょう。
- 出戻りする理由を明確にする
- 以前辞めた理由を振り返る
- 事前に元社員から社内の状況を聞いておく
出戻りする理由を明確にする
まずは、出戻りする理由を明確にすることが重要です。「人間関係や仕事内容など前職以上に良い職場はない」などと決意して復帰すれば長く働けます。
理想の働き方を考えたときに、前職に戻ることでその目標が達成できそうなら、出戻りに満足しやすいです。一方で、戻る理由が「何となく」といった曖昧な場合、早期退職に繋がるリスクがあります。
以前辞めた理由を振り返る
以前辞めた理由を振り返ることで、2度目の退職を防げます。当時の原因が解決されていなければ、転職を繰り返すことになります。
退職理由が育児や介護といったやむを得ないことや、「新しいことに挑戦する」などの前向きな事情だと採用されやすいです。以前辞めた理由が根本的に解決されていなくても、「今の自分なら許容できる」と覚悟を決められたのであれば、後悔は少ないでしょう。
事前に元社員から社内の状況を聞いておく
事前に元社員から社内の状況を聞いておけば、再入社後のギャップを減らせます。復帰後に「こんなはずじゃなかった」と悩まないためにも、会社のルールや人間関係の変化などを把握しておくと安心です。
連絡する相手は信頼できる元上司がおすすめです。社内でも、特に決定権のある人に状況が確認できれば、採用担当者に出戻りを後押ししてくれる可能性があります。
まとめ:出戻り転職するかは慎重に決めよう!

出戻り転職のメリット・デメリットは以下のとおりです。
メリット | デメリット |
---|---|
転職活動する必要がない 一から仕事を覚える負担がない 人間関係で悩むことが少ない 他社で働いた経験を活かせる 入社後のギャップが起きにくい | 出戻り転職に消極的な人もいる 以前の後輩が先輩になることもある 当時よりも給料や待遇が悪化する可能性がある 再度「辞めたい」と思うケースがある 「また辞めたい」と思っても退職しづらい |
出戻り転職の良い面は、仕事内容を理解しているので負担が少ないことや、職場にスムーズに馴染みやすい点です。仕事を一から覚えるのに抵抗がある場合や、人付き合いで悩みたくない人にはおすすめの転職方法です。
一方マイナス面として、給料や待遇が新人のときに戻る可能性があります。さらに退職時の問題が解決されていなければ、また辞めるリスクがあります。復職する明確な理由がないと長く働くのは難しいでしょう。
出戻りは感情的に決めずに、復帰することで理想の働き方が実現するのか考えることが大切です。ご自身にとって前職で働くことは最適な選択なのか、冷静に判断するようにしましょう。

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