「転職できたけど前の会社の方が良かったかもしれない」
「前の会社を辞めるんじゃなかった」
出戻り転職を検討している方は、上記のような悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。
現在の会社に不満があり、転職を考えている場合は、前の会社に出戻りすることも選択肢の1つとしておすすめです。
出戻りしたい会社内での人間関係が良好だったり、仕事で活躍できたりしていた場合は、出戻りできる可能性は十分にあります。
この記事では、実際に出戻り転職を成功させた体験談や流れを解説します。
あわせて、出戻り後の給与や待遇についても紹介しているので、「実際に出戻りした人の生の声を聞きたい」と考えている方は参考にしてみてください。
その
独学やスクールに通うことで念願のデザイナーとして就職。
しかし、人間関係や職場環境に違和感を感じてたったの20日で退職。
その後、転職する前の会社に出戻りして働いています。
このブログでは、私が実際に出戻り転職を成功させた体験談や、出戻りするまでに至った経緯などを発信しています。
私の体験した経験や知識が、悩んでいる方のお役に立てれば幸いです。
【出戻り転職の体験談】出戻り転職するまでの流れは?
ここでは、出戻り転職するまでの流れを順に解説します。
手順は以下の5つです。
- 転職先の会社に違和感を感じる
- 就職したい会社が見つからない
- 以前の従業員から連絡をもらう
- 出戻りすることへの葛藤を抱える
- 初心に帰って頑張ると決意する
出戻りする理由は人によってさまざまだと思います。
私の経験が出戻りする際の参考になれば幸いです。
転職先の会社に違和感を感じる
「手に職をつけたい」と考え、独学で1年、スクールに半年通ってデザイナーとして転職できました。
転職する前の会社は、人間関係は良好で残業も少ないけど、給与面や将来性に不安があり、「いつか転職しないとな」と考えていました。
また、年齢が20代後半であったこともあり、「30歳になる前に好きな仕事に就けて良かった」と思いました。
新しい会社での出勤日。
違和感は初日からありました。
自分用のデスクと椅子は準備されていましたが、Web系の仕事にもかかわらず、パソコンが準備されていなかったのです。
すると、上司がデスクの近くにある段ボールを指差し、「あれが使うパソコンだから組み立てといて」と言われました。
「まあ、こんなこともあるか」と先ほどまで考えた違和感を払拭しようと組み立て作業に移ることに。
組み立て後、パソコンのIDとパスワードがわからなかったので上司に聞いたところ、「わからない。社員証の番号とか組み合わせてやってみて」と言われ、上司は自分の仕事をしていました。
なんとか周りの人に聞いてログインが完了。
初日から不安を感じたことを思い出します。
その後も、挨拶を無視する管理職の人がいたり、他部署ですが大声で部下を怒鳴っている上司がいたりなど「この会社には長くいれないな」と考えていました。
特に直接自分に何かをされたとかではなく、
「この環境にいたくない」
「馴染んで人間性が変わりたくない」
と思ったのが退職するキッカケです。
就職したい会社が見つからない
転職先の職場環境に違和感を感じて、転職活動を始めます。
しかし、「4月中旬」「地方の田舎」ということもあり、求人が少なくて転職先を決められずにいました。
「今の会社を辞められるならどこでも良い」と思って、適当に目星をつけて応募しようともしました。
未経験でも入れそうな職種をピックアップし、とにかく早く辞めたいと考えていました。
ただ、「またすぐに辞めて同じことになるんじゃないか」「早期退職することが癖になるんじゃないか」という懸念があり、退職したくてもできない状況が続いていました。
デザイナーとして入社した会社の近くにはハローワークがあり、昼休憩は何となく通うだけ通って、現実逃避する日も多かったです。
就職してもまた辞めてしまう不安と、嫌な会社で働き続ける現実、この2つによってかなり精神的に追い詰められていました。
今思えば怖いことですが「通勤中に事故したら休めるよな」とまで考えるようになっていました。
精神的に不安定であったため、毎日憂鬱な気分で過ごしていたのです。
以前の従業員から連絡をもらう
デザイナーとして転職してから10日目くらい。
以前働いていた会社の従業員の方からLINEがありました。
内容は「仕事に慣れた?」と近況を確認するものです。
退職して早々心配をかけたくなかったので、「ぼちぼちやっています!」という返信をしました。
雑談を交わすなかで、「やっぱり前の方は優しいな」と以前の職場の人間関係が良かったことを思い出した瞬間です。
この時に、ふと「戻りたいな」と考えました。
何度かやり取りを交わしたタイミングで、「今の仕事はどうか?」と聞かれました。
「職場環境も嫌だし、人間関係も良くないし今すぐに辞めたいです!」と言いたい状態でしたが、心配かけてしまうので言うのを我慢しました。
しかし、戻りたい気持ちもあったので「良くはないですかねー、そちらはどうですか?」と曖昧な返信をしました。
すると「そうかー、こっちは人が足りなくて大変!」と返ってきました。
伝えるならこのタイミングかなと思いましたが、恥ずかしさもあったので「良かったら戻りましょうか!?」と半分冗談に聞こえるような返信をしました。
それが出戻りすることのキッカケになりました。
「本当!?戻ってきてくれたら助かる」
「本気で考えているなら社長に聞いてみるよ!」
と暖かい返信がもらえたのです。
こんなにあっさりと出戻りを認めてもらえるとは思っていなかったので、ビックリしたのを思い出します。
出戻りすることへの葛藤を抱える
せっかく出戻りできるチャンスをいただけましたが、
- 一度退職した会社に戻る恥ずかしさ
- 他の従業員の方の反応が気になる
- 出戻りしてもまた辞めたくなるんじゃないか
という理由から、すぐには決断できませんでした。
本当は連絡をもらってすぐに回答したかったですが、「2〜3日考えても良いですか?」と返信。
それにもかかわらず、「全然良いよ!良い回答待っています!」と言っていただけました。
- デザイナーとして成長できるかもしれない今の会社
- 仕事もこなせて人間関係も良かった前の会社
- 新たに良さそうな会社を探して就職
上記3つのなかで、どれが一番自分にとって最善か考えました。
今の会社であれば、数年我慢すればデザイナーとしてスキルを身につけられるから、その後転職や独立する際に有利かも。
しかし数年はおろか、明日ですら会社に行きたくないと思っている現実。
一方で前の会社であれば、仕事も覚えているし人間関係も良かったので、仕事をするうえで問題なさそう。
しかし給与面や将来性に対して不安がある。
それでは、新たに会社を探して就職するのはどうか。
今の会社を辞められるメリットはあるが、また合わなければ辞めたくなるんじゃないか。
それぞれのメリット・デメリットを考えましたが、どれも一長一短であることがわかりました。
このままでは決められないので、自分が働くうえで最も大切なことは何かと考えてみました。
- 高い給料をもらえるけどきつい仕事
- 数年つらいけど手に職つけられる仕事
- 給与は低いけど人間関係が良い会社
正直、前の従業員の方と連絡を取り合って優しさを再確認した気持ちにひっぱられたことは否めませんが、自分は人間関係を最も重視していることがわかりました。
高い給与をもらえてもきつい仕事であれば日々の暮らしがつらいですし、スキルが身について将来転職や独立に有利になる仕事でも、毎日つらければ病んでしまうかもしれない。
一方で給与が低くても、人間関係が良ければ毎日の生活が有意義に感じられる。
それにストレスを感じることが少ないので、空いた時間に副業などをして給与面をカバーできるのではないか。
「とにかく日々の生活がしんどくならないように、人間関係を重視しよう。」
そう考えて、出戻り転職することを決意しました。
連絡を取っていた従業員の方に「もし可能であれば、また働きたいです」というメッセージを送りました。
初心に帰って頑張ると決意する
従業員の方にメッセージを送った後、予定通り社長に私が戻ることを伝えてくれました。
「言ったからにはもう撤回できない。初心に帰って頑張るぞ」と決意しました。
そこから従業員の方に、社長と面談する日を決めてもらい実際に面談。
大体の話は伝わっていたのか、特に社長から聞かれることもなく、雑談をしながら就職する際に必要な書類を渡されて、出戻り転職することになりました。
区切り良く就職するために、来月から入社することが決まり、私の出戻り転職は無事成功しました。
出戻り転職後の給与や待遇
出戻り転職する際に不安があった以下の2点について解説します。
- 給与面
- 待遇面
給与面
「入社当初の給与に戻るだろう」と思っていましたが、退職時の給与のままで契約していただけました。
生活水準を下げる覚悟をしていたのですが、これには本当に感謝しかありません。
私が考えるに、
「退職してから1ヵ月しか経過していない」
「仕事を覚えているから同じ給与でも問題ない」
という理由で、給与が同じだったのかなと思います。
そのため、以前と同じ給与で出戻りしたいと考えているのであれば、早めの出戻りがおすすめです。
早い方が良い理由について詳しく知りたい方は、こちらの記事もチェックしてみてください。
【関連記事】出戻り転職するなら早い方がいい!1ヶ月で出戻りした感想
待遇面
待遇面に関しても、仕事内容や立場が変わることなく以前のまま入社できました。
入社初日から以前と同じ仕事を行い、周りの従業員の方も以前と同じように接してくれました。
おそらく、「ある程度仕事ができていた」ということが同じ待遇で入社できた理由だと思います。
もし社内で活躍できていなければ、待遇面だけでなく、給与に関しても一からスタートしていたかもしれません。
出戻り転職を検討している方は、「社内での評価はどのようなものだったか」を考えてみましょう。
活躍していたのであれば、出戻りが成功できる可能性が高いと感じます。
出戻り転職で失敗する人と成功する人の違いが知りたい方は、こちらの記事も参考にしてください。
【関連記事】出戻り転職で失敗しないためには退職理由が大切|失敗する人と成功する人の違い
出戻り転職を体験した正直な感想
出戻り転職を体験した正直な感想は、本当に「出戻りして良かった」と思います。
給与や待遇が以前と同じままだったということもありますし、何より改めて「出戻りした会社の人たちは良い人だな」と再認識できました。
今まで以上に親切に対応しようと考え、人に対する感謝の気持ちがより一層強くなりました。
もし、ずっと嫌な環境の職場で働いていたら精神的に病んでしまっていたかもしれません。
人と接することに思いやりを持てなくなっていたかもしれません。
病んでいたら出戻りもできなかったと思いますし、再就職するにも時間がかかっていたことでしょう。
現在は、会社の人間関係は良好で、自分のできる仕事を行っているため、デザイナーとして入社していた会社と比べてストレスがかなり軽減されました。
休日に仕事のことで頭がいっぱいになることも減り、日曜日に憂鬱になることもなくなりました。
家に仕事を持ち込むことがなくなったので、プライベートの時間に集中できるようにもなりました。
出戻りした会社は一度退職したため、全く不満がないわけではありませんが、合わない環境で働くよりもよっぽど充実した毎日を過ごせています。
必ずしも、みんなに出戻り転職がおすすめとは言えません。
ただし、「前の会社でもう一度働きたい」と考えているのであれば、出戻りを選択肢の1つとして考えておくのも有効だと思います。
まとめ:出戻り転職も選択肢の1つとして入れよう
もし以前の会社への不満がそれほど大きくない場合は、出戻り転職は有効な選択肢の1つです。
すでに人間関係が構築されており、慣れている仕事を行うため、仕事をするストレスがかなり減ると思います。
何より、嫌な会社で働き続けて精神的に疲弊することがなくなります。
時間が経てば経つほど、お世話になった従業員の方が辞めたり、新人が入社して枠がなくなったりする可能性があります。
出戻りするチャンスを逃さないためにも、「もう一度働きたい」と思うのであれば、早めに行動しましょう。
出戻りを切り出すタイミングについて知りたい方は、こちらも参考にしてください。